はじめての将棋まつりの巻-3

●渡辺竜王 対 永瀬拓矢四段(先手)
本日の〜メーンイベント〜「リューオー 対 タクヤ〜・ナガセー!」の始まり。
解説は勝又六段、聞き手は中井女流六段。
対局前に勝又六段からミニ・トリビアが披露された。曰く「2004年の京急将棋まつりでは、当時竜王だった森内俊之九段に当時六段の渡辺さんが挑んで、渡辺さんが勝った。渡辺さんは、その年の竜王戦の挑戦者になって森内さんからタイトルを奪って竜王の座についたんです。そして2年前の京急将棋まつりでは、いま王位戦を戦っている広瀬くんと渡辺竜王が対局して広瀬くんが勝ってるんです。だから京急将棋まつりで竜王に勝つとタイトル戦の挑戦者になれるんじゃないの?」とかなんとか。

先手の永瀬四段が石田流三間飛車を採用。間髪入れずに石田流三間飛車の歴史や変遷などを解説してくれる勝又六段。話がうまくて飽きさせない。すごいなあ。
44手まで進み、永瀬四段が再び長考。
ここで勝又六段の体験した「ホントウにあったおもしろいエピソード」が披露された。
「昔の将棋は流れがゆったりでした。午前中なんか対局者が雑談してましたから。ある対局中、ボクがトイレに行って帰ってくると、ボクの場所に師匠の石田和雄先生が座ってボクの対局相手と雑談してたなんてこともありました」
解説者の軽妙なおしゃべりに聞き入っているうちに、永瀬四段が持ち時間を使い切って30秒将棋に。
「10秒・・・20秒・・・」て秒読みされるの精神的にキツイっすね。指してる本人はどうか知りませんが、見てるこっちの方は、アワワワ ヽ( ;´Д`)ノてなりましたよ。ああいうのも慣れると平気なのかな。
58手目で竜王も時間を使い切り、ここからは両者30秒将棋に。30秒短いよ。たった30秒じゃなんも考えらんないよ。プロってやっぱすげー。
そっからなんやかんやありまして、勝ったのは竜王でした。両者の対局後のコメントです。
竜王「大駒がひとつもなくなっちゃって自信がなかったですね。私、大駒派なんで。途中向こうのペースになって、またやられちゃったかなあと。でも、なんとか面目を保ててよかったです」
永瀬「相手が竜王なので、攻められた時に引きすぎたかも。もっと攻めれば良かったかも」

【オマケ】(この対局はなんとか棋譜記録に成功しました。間違ってたらごめん)
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩 ▲7七角 △6二銀
▲6八銀 △4二玉 ▲4八玉 △3二玉 ▲3八銀 △3三角 ▲3九玉 △2二玉
▲6七銀 △3二銀 ▲7五歩 △1四歩 ▲1六歩 △2四歩 ▲2八玉 △2三銀
▲6八角 △3二金 ▲7六飛 △6四歩 ▲5六歩 △6三銀 ▲7七桂 △5二金
▲5八金左 △9四歩 ▲2六歩 △4二金右 ▲3六歩 △7二飛 ▲8六歩 △7四歩
▲8五歩 △7五歩 ▲8六飛 △7四飛 ▲3七桂 △5四銀 ▲9八香 △9五歩
▲2七銀 △7三桂 ▲3八金 △6五歩 ▲5七角 △7六歩 ▲同 銀 △6六歩
▲7五歩 △6四飛 ▲6八金 △6五桂 ▲同 桂 △同 銀 ▲4六角 △6一飛
▲6二歩 △同飛 ▲7三角成 △6一飛 ▲8三馬 △7六銀 ▲6一馬 △6七銀成
▲4五桂打 △4四角 ▲6七金 △同歩成 ▲5五銀 △5八と ▲6二飛 △4九銀
▲3九金 △5五角 ▲同 歩 △4八銀 ▲5四歩 △3九銀不成 ▲同 玉 △5五桂
▲5一馬 △4七桂成 ▲2八玉 △3八金 ▲1七玉 △3七金 ▲2八銀 △同 金
▲5五角 △1三玉 ▲2八玉 △3七金 ▲1八玉 △3八成桂
まで102手で後手の勝ち

【オマケその二】
渡辺竜王出題の次の一手問題

答えは「2三角」
先手は銀がないと詰まないらしいです。そんで2三角の後は、後手がどう動いても「4三銀」が急所なんだそうです。むずかしい問題だったみたいです。

【オマケその三】
勝又教授出題の詰め将棋問題

いくつものパターンを次々と解説される勝又六段。いろいろ駒を動かされているうちに正解のルートがわかんなくなっちゃいました。うろ覚えですが、手順を記します。
▲3二金 △同玉 ▲4一銀 △2二玉 ▲3三金 △1二玉 ▲1三金 △同玉
▲3一角成 △1二玉 ▲2二馬までの11手詰め
合ってますか?

●まつりは終わった
午後に到着して半日。こんなに長いことデパート内をうろついたのは初めてだ。でも催しが盛りだくさんでちっとも飽きなかった。将棋まつり面白いなー、楽しいなー、楽しいなー。
ていうか、もう一回来たいぞ! いや、来よう! うん、そうしよう。
帰りの電車の中、「I will be back to 将棋まつり」を心に誓う将棋猫であった。

前のページに戻る
次のページに進む
上に戻る