【永世竜王ならず!】
まだ手が進まない。今度は竜王戦の話題にジャンプ。2年前、羽生名人との激闘を竜王が回想する。七番勝負後半、竜王が連勝した時の想い出。
竜王「記者の人たちはいっぱい来てたんですけど、ほとんどの人が羽生さんを撮りに来てるの。新聞の見出しもボクが勝ったじゃなくて、『永世竜王ならず!』。
『永世竜王ならず!』、『永世竜王ならず!』、『永世竜王ならず!』と3回続いて、最後だけはかわいそうだから3行くらいの記事で『竜王防衛!』と。写真もちょっぴり撮ってくれて・・・」
上田「今日はなんでそんなに自虐的なんですか?」

【おもしろい人】
いま戦っている二人の棋士の印象について、上田女流ニ段から質問が。
竜王「藤井さんはすごくおもしろいですよ。住んでるとこも近所だから研究会とかやってるんですけど、いつもすごくおもしろい」
上田「大盤解説でも楽しいですもんね」
竜王「そうそう」
上田「そういえば藤井先生が以前王座戦の解説をやられた時、羽生王座の連覇について質問されて、『20連覇くらいするでしょ』とおっしゃってましたよ」
竜王「・・・・・・・」
上田「・・・・・・・」
竜王「まあ、とにかくおもしろい人ですよ、藤井さんは。大盤解説会で藤井さんが解説だったら、ちょっと見てみたいなと思いますもん。あと福崎先生も」

【あのまんまの人】
上田「じゃあ羽生先生の印象はどうですか?」
竜王「あのまんまの人ですよ」
上田「あのまんま?」
竜王「羽生さんがテレビでインタビューとか受けてるのとか見たことあるでしょ?」
上田「ええ」
竜王「普段もああいう感じですよ。飄々としてるというか・・・」
上田「プライベートではどうなんですか?」
竜王「いやあ、プライベートでは話したことないですねえ。羽生さんと二人きりというシチュエーションがまずない」
ここで客席から「感想戦の時は?」の質問が飛び出す。
竜王「いやあ、感想戦の時は将棋のことしか話さないから。まさか感想戦の時に『最近どう?』とか聞かないよね」

【懐が深い】
場面は一挙にジャンプして、68手目△5四金に。この手に対する竜王の予想手は▲同龍。
竜王「▲同金は△9九角成でなんかこわい。この場面であえてこわい手はやらないでしょ。常識的に考えて」
控え室の検討も竜王と同じ▲同龍が有力と見ているらしい。
が、中空になにかヴィジョンが見えたのか、竜王が前言を翻す。
竜王「う〜ん、いやあ、でも・・・羽生さんならこわいと思わないかもしれない。将棋の懐が深いから・・・」
と言ってるそばから、▲同金と指されたという情報が入る。
竜王「ほら。やっぱり。羽生さんは将棋の懐が深いから・・・」

将棋には独特の言い回しがあって、将棋猫には意味がわからないものもたくさんある。たとえば「辛い手」とか「味がいい手」とか「ぼんやりした手」とか「おまじない」とかとかとか。なんとなくニュアンスを感じとるくらいしかできない。とくに「ぼんやりした手」ってなんだ? わかんないよ〜。
そして竜王のいう「将棋の懐が深い」ってのも、実はよくわかりません。具体的にいうと、どういうことなのかなぁ。

【金皿エピソード】
勝負の結末はみなさんご存知の通り、羽生王座が先勝しました。
解説会はというと、上にあげた他にも楽しいエピソードがたくさん聞けて、めちゃめちゃ楽しかったです。
たとえば「上田流頓死術」だとか、「“『・・・』が得意な宮田敦史六段” by 竜王」の話だとか。
解説会のお二人は次から次へと愉快なエピソードを披露してくれました。それはさながら、回転寿司屋で金皿に乗った高級ネタがベルトコンベアに乗ってどんどこ流れてくるような感じでした。
しかし、いかんせん将棋猫の脳内メモリが10bitくらいなもんで、これくらいしか記憶できませんでした。しかもうろ覚えだし。
結論としては、「本当に楽しみたかったら現地に行く他ない!」ということですね。

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